茨城県牛久市の美容室 atelier lit とみぃのブログ

”髪の毛がキレイ”は必ずしも「ノーダメージ」ではないということ。

わたくしが仕事をする上で、とても大切にしている事があります。

それは「携わったお客様の髪を綺麗にすること」です。

・・・

当たり前の事ですよね。(笑)

でもこれってちょっと意味がありまして、もしかしたらちょっとだけ誤解されることもあると思うので書いてみました。

髪の毛が綺麗=ダメージレスではない


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一般的に「髪の毛が綺麗」と感じるのは、ツヤがある、まとまりがいい、サラサラ みたいイメージがあると思います。

その中で、全くダメージしてない っていうのももちろん含まれると思うんです。

ですがヘアスタイルをデザインする上で「全くダメージさせないで」作り上げることは不可能なんです。
黒髪のバージン毛にカットだけでヘアデザインしたとしても  です。

カットすということは髪を途中で切断するってことなので
ハサミの切れ味が悪かったり切り方が悪いと断面が潰れ、少なからずダメージしてしまうからです。

確かに薬剤を使った施術に比べれば軽度なものですが、それでも”ノーダメージで”ヘアデザインするっていうのは不可能なんです。

見た目、手触り…綺麗な要素はダメージレスだけではない


そして、カラーもパーマもしてない黒髪のバージン毛が必ずしも「キレイに見えるか」と言ったらそうではありません。
想像してみてください・・・。もし黒髪でもクルックルのくせ毛だったら?
バサバサに梳かれてぺらぺらの髪だったら?

きっとパーマやカラーしてなくてもキレイには見えないと思います。

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ちなみにわたくしは長さが出てくるとクセでいかにもガサガサしたような質感になってしまうので汚く見えてしまいます。
ダメージはさほどしてないのにです。

でも、ストレートアイロンで伸ばしたら綺麗にまっすぐツヤツヤになります。

クセ毛に高い温度を当てて伸ばすのですから、ダメージが出ないわけがない。

でも見た目サラッサラの艶髪になる。

極端な話、「髪の毛をキレイにする」っていうのはそういうことなんだと思ってます。

「なるべくローダメージで、質感や見た目が良くなるように施術する」っていうことですね。

パーマをかけるにしてもカラーするにしても、ダメージというのはつきもの。

それをなるべくダメージさせずにキレイに保ってスタイルを作れるかが、美容師の腕の見せ所なんですよね。




ダメージありきのヘアデザイン  というとなんか聞こえが悪いかもしれませんが事実です。
我々美容師はその「ダメージありき」の部分をなんとかしようと毎回試行錯誤しています。

食事と同じで「素材が悪くなってしまったら素材なりのものしか作れない」からです。

わたくしは基本、強い要望がない限り「ダメージを最小限に抑える施術」を最優先してます。
そうすることで気に入ったヘアスタイルを扱いやすく、長い間楽しめるからです。

当たり前のようでなかなかできてない「髪をキレイにする」こと。少しでも長くヘアスタイルが楽しめるようにしていきたいもんです。

この記事を書いた人

フリーランススタイリストとみぃ
美容師歴21年。
ヘアカラーを得意とし、ハイライトや3Dバレイヤージュなどを駆使したデザインカラーを提案。様々なヘアカラーニーズに対応できる技術を研究・提供している。

ファッション・メイクとマッチしたヘアスタイルの撮影や、美容メーカーのメディアへの寄稿、地域のビジュアル活動など、サロンワークのみならず多方面で精力的に活動している。
【主な活動・資格】
ビューティーエクスペリエンス「THROWジャーナル」ライター
ヘアケアマイスタープライマリー・ミドル取得